被災地視察も政治利用…安倍首相に透ける総裁選“大阪対策”
与党や総理が視察したら「政治利用」
野盗が視察しても「政治利用」と批判しない
ナゼなのか?
安倍首相が21日、大阪北部地震の被災地を視察した。茨木市で自衛隊の入浴支援活動を見学後、ブロック塀倒壊で女児が犠牲になった高槻市の小学校に向かい、現場で献花して黙とう。「二度と悲惨な出来事を起こしてはならない。全国のブロック塀の緊急点検を行い、子供たちの命をしっかりと守りたい」と力説した。被災自治体への財政支援として、普通交付金を前倒しで支給する方針を現地で表明までする手厚さだった。
午前11時前に伊丹空港に到着し、午後3時前に出発というわずか4時間の滞在ながら、地震発生から4日目という早いタイミングでの視察だ。一昨年の熊本地震の際は、震度7の本震から1週間後だった。もちろん他の公務との兼ね合いはあるものの、「大阪」だからこそ安倍首相の力が入るという特別な事情がある。
「総裁選でライバルになる石破茂元幹事長への牽制でしょう」(自民党関係者)
■石破茂元幹事長への対抗心むき出し
松井一郎府知事ら大阪維新との関係を重視してきた安倍官邸に対し、自民党大阪府連はずっと苦々しい思いをしてきた。そのため、府議や市議が昨年、石破氏を支援する会を立ち上げ、勉強会を開いたりしている。安倍首相はこれに対抗心むき出し。今年4月には、府連の臨時党員大会にわざわざ出席。今月17日には、石破氏が講師を務めた府連の政治塾に、異例のビデオメッセージを送ったほどだった。
2012年の総裁選で安倍首相は石破氏に地方票では負けた苦い経験がある。今回の被災地視察や早々の財政支援表明には、大阪の自民党員に向けた総裁選対策が透けて見えるのだ。
さすがに自民党のベテラン議員も呆れてこう囁く。
「今の安倍さんの関心事は総裁選だけ。官邸も安倍3選狙いで、これからあらゆることを利用していこうという空気です。献花のパフォーマンスや震災対策にいち早くカネを付けるなど、あまりに露骨で鼻白みます。とにかく安倍さんは、総裁選にプラスになることは全てやると前のめり。今すぐにでも日朝会談をやりたいと言い出していて、周囲が止めるような状況です」
安倍首相は、18日の震災当日は岸田政調会長としゃぶしゃぶ。20日は麻生財務相や二階幹事長らとステーキ。いずれも総裁選での支援の確認が目的だ。日程は「9月7日告示―20日投開票」の方向となった。安倍首相の頭の中は総裁選一色。被災地まで政治利用とは、国政私物化政権の真骨頂である。
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-046372/