依存症云々言うなら、競馬等の公営ギャンブル、民間賭博のパチンコにも警鐘を鳴らせよ!
何で、カジノに対して依存症を危惧する事を言うんだ?政治家も含めてだ!
男性は二十年近く、ギャンブル依存症で苦しんできた。大学生のころからパチンコにのめりこみ、借金は一時三百万円に。勝ち続けてもおもしろくない。負けているときに「明日どうしよう」と思いながら、打つドキドキ感がたまらない。亡くなった父の香典をくすね、妻の結婚指輪を質に入れたりもした。「狂っているのは分かっている。でも、ブレーキが利かなかった」と当時を振り返る。
「ギャンブル依存症の怖さは、犯罪にまで行き着くこと」。一緒に治療していた仲間の中には、横領や窃盗で逮捕された人も。男性もかつて、勤務先の飲食店の売上金に手を出した。もうギャンブルには手を出していないが、今でも、ふっと「パチンコで稼ごう」という思いがよぎるという。
カジノ解禁法案の審議に至っても、具体的な依存症対策が聞こえてこないことに、男性は不安を覚える。「ギャンブルに対する政治家の認識は甘すぎる。浅い認識でカジノまで解禁すれば、私のように苦しむ人を増やすのでは」と訴える。
男性が治療していたホープヒルの回復施設では二日夜、定例のミーティングが開かれた。理事長の町田政明さん(64)が投げ掛ける「我慢している時は、どんな気持ち?」といった質問に依存症の人たちが答え、自分の内面と向き合った。
ふってわいたカジノ法案の採決に、町田さんは「あまりに拙速」と語る。「依存症は治らない人のほうが圧倒的に多い。ギャンブルは毒の部分もあり、人をむしばむ。国はもうけ話ばかり強調するが、もっと社会的損失に目を向けるべきだ」と訴える。 (中沢誠、写真も)
<ギャンブル依存症> ギャンブルへの欲求を抑えることが難しくなる精神疾患の一つで、借金を抱えたり家族関係が破綻したりといった問題につながる。厚生労働省の研究班は2013年7月、全国から無作為に抽出した20歳以上の男女のうち4153人(回答率58・9%)を対象に調査を実施。研究班は調査結果を踏まえ、ギャンブル依存症の疑いがある患者は536万人と、成人の4・8%に上るとの推計を出した。