与党は失言
野盗は指摘
同じ失言でも、与野盗で扱いが真逆なのはナゼですか?
自民党国会議員の失言が止まらない。安倍晋三内閣の支持率が回復に転じたことや、通常国会の大幅延長が決まり、緊迫した与野党攻防に間延び感が漂ったことに伴う気の緩みもあるとみられるが、今回はお粗末という表現では済まされない発言もあった。(原川貴郎)
穴見陽一衆院議員は、15日の衆院厚生労働委員会で、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案をめぐり参考人として出席した日本肺がん患者連絡会代表の長谷川一男さんにやじを飛ばした。
長谷川さんが屋外での喫煙に関して「なるべく吸ってほしくないが、喫煙者にとって吸う場所がないと困るという気持ちも分かる」などと発言。直後に穴見氏は「いいかげんにしろ!」と言い放った。
穴見氏は、ファミリーレストランを展開する「ジョイフル」の代表取締役相談役を務め、不祥事を連発する自民党の「衆院当選3回生」でもある。
穴見氏は、21日になって「不快な思いを与えたとすれば、心からの反省とともに深くおわび申し上げる」と謝罪のコメントを発表した。ヘビースモーカーとして知られ、コメントでは「喫煙者を必要以上に差別すべきではないという想(おも)いで呟(つぶや)いた」とも釈明。22日には大分がん研究振興財団の理事の辞表を出し、受理された。ただ、報道陣の取材には応じていない。
自民党幹部は「自分がどう見られるか認識が足りない」と怒りを隠さない。公明党の井上義久幹事長も22日の記者会見で「あってはならない。受動喫煙をどう防止していくかという基本的な認識が分かっていれば、ああいう発言は出なかったのではないか」と断罪した。穴見氏のフェイスブックにも「コメントの内容を読む限り、とても反省しているとは思えない」などと批判が殺到した。
失言は閣僚経験のあるベテラン議員からも出た。
河村建夫衆院予算委員長は20日夜、安倍首相らとの会食後、予算委の集中審議について首相が「勘弁してくれ」と述べたと説明。21日に野党が批判すると「『勘弁』との発言はなかった」と訂正した。
麻生太郎副総理兼財務相は21日、麻生派(志公会、59人)の会合で「ロスタイムの間に下手な失点が起きないようにお願いしたい」と注意を促したが、麻生氏自身も失言の多さで知られる。会期末までに追加失点が出ない保証はない。
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