中国が広告ブロックソフトの利用を禁止する法令を公布
広告にスパイウェアを仕込んでる中国政府にとっては、広告ブロックは死活問題ですからwww
中国政府が「中国国内で広告ブロックソフトの使用を禁止する」という旨の法令を公布しました。大手広告ブロックソフトAdblock Plusは、「基本的権利の剥奪であり、中国のインターネットユーザーのセキュリティが脅かされてしまう」として批判しています。
Adblock Plusの主任開発者であるBen Williams氏によれば、中国国内でモバイル端末使用時に広告ブロック機能を使っているユーザーは、およそ1億5900万人いるとのこと。デスクトップ端末では広告ブロック機能の使用者は比較的少ないそうです。しかし、中国政府が新しく公布した法令によると、端末の種類を問わず、2016年9月から中国で広告ブロック機能の使用が禁止されるとのこと。
中国政府が2016年7月4日に公布した「国家工商行政管理总局令」は、以下のページから全文を読むことが可能です。
この新しい法令は、インターネット上の広告を構成する要素を定義づけることを目的としています。また、薬やタバコ、健康製品、医療用品、ペット用薬品、殺虫剤などは、誤った内容や誤解を招くような広告が多く存在するため、広告掲載には政府の許可が必要だという旨を法令で定めています。さらに、検索結果画面に表示される広告と検索結果を明らかに区別することや、広告主が広告の信頼性に責任を負う必要があることなどについて定められています。
加えて、この法令には「広告ブロック機能の使用を禁止する」という項目があります。Williams氏は、「広告ブロックソフトはユーザーの力を取り戻すという目的で開発されているため、広告ブロック機能を禁止すると、ユーザーの基本的な権利を奪うことになります」と主張しています。
Williams氏は広告ブロック機能を使う理由として、「オンラインの安全性」について強く主張しています。中国では、Google Playで配信されているアプリをすべて自由にダウンロードできるわけではありません。そのためGoogle Play以外の場所からアプリをインストールしてマルウェアに感染してしまう例が多発していて、中国国内のおよそ1000万台のAndroidスマートフォンがマルウェアに感染しているとのこと。Williams氏は「マルウェアの感染を防ぐには、広告ブロックソフトが有効的」と主張していて、さらにページ読み込み時間の短縮や、プライバシー保護、データ使用量の削減にも広告ブロックソフトが役に立つと述べています。
Williams氏は、「必要とあらばAdblock Plusは中国政府から距離をとってユーザーの保護を優先する」と語っています。
http://gigazine.net/news/20160722-china-ban-adblock/