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【びっくりサイエンス】“死の水”にすむ謎の微生物 生きる仕組みは全く不明 日本の研究者が発見

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地球上の生物にとって有毒環境の熱水噴出孔で適応した生物も居ますしね・・・
まだまだ、地球も謎が多いですわ




 生き物が呼吸をしたり、栄養を取り込みエネルギーを得たりして生きているのは常識だ。

 ところが、こうした仕組みが全く分からない謎の微生物を日本の女性研究者が発見した。一体どうやって生き永らえているのか。解明できれば、太古の地球で生命が育まれた秘密が分かるかもしれない。

アルカリ性の泉で発見

 極上ワインの産地として知られる米カリフォルニア州ソノマ郡。その山中に「ザ・シダーズ」と呼ばれる小高い丘があり、乳白色の泉が湧き出ている。

 泉の水は極めて強いアルカリ性で、水素イオン指数(pH)は11以上。生物の呼吸に必要な酸素を含んでおらず、栄養分となる炭素や窒素、リンなどもほとんど含まない“死の水”だ。泉の周囲に草木はなく、岩肌が不気味に露出している。

 この水質は「蛇紋(じゃもん)岩化反応」と呼ばれる現象と関係がある。地球深部の岩石であるマントルを構成するかんらん岩が、水と反応すると、蛇のような模様がある「蛇紋岩」に変質し、水素などが生じる現象だ。

 この丘はマントルに由来するかんらん岩が隆起してできた場所で、地下に雨水が染み込むことで蛇紋岩化反応が起き、極端なアルカリ性の泉が生まれた。

 厳しい環境にすむ生物を研究している海洋研究開発機構の鈴木志野特任主任研究員(環境微生物学)は、世界有数の過酷さを持つこの泉に着目。「今の科学では生命がいるとは到底考えられない。だからこそ、もし見つかれば新しい科学の始まりになる」。こう考えて平成23年、日米などの国際研究チームを主導し現地調査を開始した。

呼吸とエネルギー生産の遺伝子がない!

 泉に管を差し込み、ポンプで水をくみ上げて採取。濾過(ろか)に使ったフィルターに微生物が引っかかっていないか調べるため、DNAを抽出してゲノム(全遺伝情報)を分析した。

 その結果は、チームを仰天させるものだった。地下深くから湧き出る泉に16種類の微生物がすんでいた。しかもその全てが、呼吸をつかさどる遺伝子を持っていなかった。さらに、このうち4種類は体内でエネルギーを生産するための遺伝子すら見当たらなかったのだ。

 生物なら何らかの方法でエネルギーを作り出しているはずだが、その仕組みは全く不明。論文にまとめ今年7月に発表すると、大きな反響を呼んだ。

 これらの微生物は泉の水に含まれるかんらん岩に密集した状態で見つかった。このため鈴木氏は「蛇紋岩化反応に頼って生きている可能性が高い」とみる。ただ、仮にそうだとしても、生きるための具体的な仕組みは全く分からない。

原始生命に手掛かり、地球外でも?

 この泉の水は、生命が誕生した約40億年前の地球の環境とよく似ているとされる。当時の地球では、多くの場所で蛇紋岩化反応が起きていたと考えられるからだ。こうした過酷な環境で原始生命がどのように生き延びたのかは全く不明で、謎に包まれている。

 見つかった微生物は原始生命の特徴をとどめる「生きた化石」なのか、それとも泉の厳しい環境に適応するため独自の進化を遂げた生き物なのか。「いずれにしても、原始生命の生存戦略を理解するための有力な手掛かりになりそうだ」と鈴木氏は話す。

 この研究は地球外生命の探究にも役立ちそうだ。かんらん岩と水があれば、ほかの惑星でも蛇紋岩化反応が起きるとされており、これに頼って生きる生命がいるかもしれないからだ。土星の衛星エンケラドスや木星の衛星エウロパでその可能性が指摘されている。

 先月も現地を調査したという鈴木氏は「こんなに不可解な生命に出合ったのは初めて。彼らが生きる姿を詳しく調べたい」と話す。地下でひっそりと暮らす微生物が、生命の謎を宇宙のスケールで解き明かす鍵になりそうだ。(科学部 草下健夫)

http://news.livedoor.com/article/detail/13778757/