「違法な捜索」ジャーナリストが提訴
同行取材だけなら、その主張も分かるが、旅券の手配までしておいて何言ってんだ?
3年前、日本人の大学生などが過激派組織IS=イスラミックステートに加わろうとした際に、関係先として警視庁の捜索を受けたフリージャーナリストの常岡浩介さんが、違法な捜索で報道の自由を侵害されたとして国と東京都に賠償を求める訴えを起こしました。
訴えによりますと、常岡さんは、3年前の8月、日本人の大学生など2人が戦闘員としてISに加わるためシリアへの渡航を計画した際に、2人の航空券を購入し、同行取材をする予定でした。
渡航は中止されましたが、大学生などは、外国に対する戦いを準備する「私戦予備および陰謀」の疑いで警視庁の捜索を受け、関係先として常岡さんの自宅も捜索され、パソコンや携帯電話などを押収されました。
その後、刑事処分は受けていないということで、常岡さんは、「私戦予備罪」が成立するケースではなく、捜索をした警視庁と令状を出した裁判所の対応は違法だとして、国と東京都に600万円余りの賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。また、渡航とは関係のない取材の資料も押収され、報道の自由を侵害されたと主張しています。
常岡さんは、会見で「取材で得た情報を奪い取ることが目的の捜査だったということを明らかにしたい」と話しました。
一方、警視庁は、「訴状が届いておらずコメントできない」としています。