大洗リゾートアウトレット 「まいわい市場」が取得、再生へ
八ケ岳モールマネージメントとまいわい市場の確執は何だったのだろうか?
大洗町の商業施設「大洗リゾートアウトレット」を運営していた「八ケ岳モールマネージメント」(東京都千代田区)が、商業施設の企画などを手掛ける「不動研」(同)に施設を売却し、撤退していたことが分かった。不動研は、リゾートアウトレットに3月末まで入居していた県産品直売所「まいわい市場」を運営する「Oaraiクリエイティブマネジメント」(大洗町)へ既に施設を売却。クリエイティブマネジメントは不動研と協力して再生を進める。 (越田普之)
クリエイティブマネジメントによると、所有権の移転はともに二十日付。現在のテナントは一部を除いて営業を継続する。並行して、施設改修や新規テナントの誘致といった再生のための事業計画は、地元企業のクリエイティブマネジメントと、不動研の関連会社「不動産開発研究所」(千代田区)、クラウドファンディング会社の「Cash Flow Finance」(中央区)の三社で策定し、共同で運営に当たる。
今後は「大洗シーサイドステーション」と名称を変え、観光客と地元住民の双方に利用される複合ショッピングモールを目指す。十一月にプレオープン、来年三~四月にグランドオープンの予定。
また、リゾートアウトレット退店後、隣接する県有地に仮設店舗を構えていた「まいわい市場」や、町を舞台にした人気アニメ「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」のグッズショップ「ガルパンギャラリー」も旧アウトレット内へ戻り、八月五日に再開する予定という。これに伴い、仮設店舗は七月末で閉店する。
クリエイティブマネジメントの常盤良彦社長は「新しいオーナーになったが、リゾートアウトレットを引き継いだのではなく、ゼロから再生する」と語った。また、八ケ岳モールマネージメントに売上預託金返還を求め東京地裁に五月に提起していた訴訟は、同社と不動研との施設売買交渉の中で問題が解決したとして、早期に取り下げる方針という。
リゾートアウトレットは、大洗町が臨海部の県有地に誘致して二〇〇六年に開業。当初は七十店舗が入っていたが、退店するテナントが後を絶たず、今年に入ってからは施設の大半が空きフロアとなり、町議会で存廃問題が取りざたされる事態になっていた。