全員に30万円!?ベーシックインカム導入是非、スイスで国民投票へ
我が家に当てはめると、月額67万円
この金額になると、就労する必要性が無くなる
まぁ、賛成派の「金銭を得るだけの就労から開放」ってのも言わんとしてる意図は分かるけど、業種によってその度合なんぞ違ってくるから意味ない気もするが・・・
働いている・いないにかかわらず、国民1人あたり30万円、未成年には7万円を支給する・・・。スイスで5日、国民全員に一定のお金を支給する「ベーシックインカム」と呼ばれる制度を導入すべきか国民投票が行われます。議論を後押ししたのは「ロボット」技術の進化でした。
「ここはチューリッヒの目抜き通りなんですが、ロボットに扮した集団が行進しています。ちょっと異様な雰囲気です」(記者)
スイス・チューリッヒの町に現れたロボットに扮した集団。求めているのは「ベーシックインカム」と呼ばれる制度の導入です。これは、働いている、いないにかかわらず、全ての人に毎月一定のお金を支給する社会制度のことで、スイスでは、この制度導入を憲法に盛り込むかどうかをめぐり、世界初の国民投票が行われることになりました。
導入を求める人々からは、成人1人に月およそ30万円、未成年に7万円を支給し、その代わりに、年金や失業手当などの社会保障を廃止するという内容が提案されています。それにしても一体なぜ“ロボット”が行進しているのでしょうか。
「レギュラー、それともラージにしますか?」
これは大手ピザチェーン店に配置される予定のウェイターロボット。おすすめ商品やカロリーまで教えてくれます。急激な進化を遂げるロボットや人工知能。将来、彼らに人間の仕事が奪われるという懸念が高まっていて、誰もが最低限の生活を送れるようベーシックインカムが必要だと訴えているのです。
「全ての人間にはベーシックインカムが必要です。我々ロボットがいずれ、ほとんどの仕事をするようになりますから」(ロボットに扮した人)
さらに、任せられる仕事をロボットに任せることで、人間は多様な働き方が選択できるようになるという主張も。映画業界で働くこの男性(39)は、妻と子ども3人との5人暮らし。提案どおりのベーシックインカムが導入されれば、受け取る金額は家族で月およそ80万円。スイスの物価は日本のおよそ2倍ですが、生活には困らない額です。
「ベーシックインカムが導入されれば、働く時間を減らして子育てに充てられる。高収入の職を探すために苦労しなくて済むようになる」(賛成派 トビアス・ファウストさん)
導入賛成派は、ベーシックインカムは働く意味を根本から変える提案だと話します。
「『仕事』への意識や取り組み方を変えるべき。収入のために働くことだけが『仕事』ではない」(賛成派リーダー エノ・シュミット氏)
しかし、スイス国民への世論調査によると、賛成は26%。「働く人が減るのでは」といった反対意見が多く聞かれます。
「ベーシックインカムは働きたくない人のための制度。働きたくない人のために税金を払うなんて嫌だし、良くないこと」(反対派の市民)
ベーシックインカムを導入すると、人々の生活はどう変わるのか。ドイツのベルリンでは実験が行われています。音楽学校で働くマイケさん。口座には毎月1000ユーロ、およそ12万円が振り込まれます。実験を行っているのは民間の団体。2年前からインターネットで寄付金を募り、抽選で選ばれた人に1年間、毎月12万円を支給しています。1人暮らしのマイケさんのもともとの収入は月20万円。受け取ったベーシックインカムは貯金に回しています。
「安心感が生まれてリラックスできるようになりました。今の仕事は続けるつもりです。そのうえで、自分が本当に大切だと思うことや社会貢献ができるような気がします」(マイケ・シュミッツさん)
これまでの受給者は36人。実験を行っている団体は受給者の印象をこう話します。
「受給者は皆、イキイキと働くようになりました」(支給実験行う民間団体の代表)
しかし、国レベルでの導入は社会制度の根本的な見直しが伴うため簡単ではありません。国民投票を前に、スイス中部の町では町民らが夜遅くまで議論を続けていました。
「ベーシックインカムをもらったら仕事を辞めると答えたのはわずか2%です」(賛成派)
「いったい財源はどこにあるんだ!」(反対派)
賛成派は、年金などを廃止し、社会保障費を見直すことで制度に必要な年間23兆円を捻出できると主張。反対派は、それでは足りず、増税は避けられないと反発しました。国民投票は5日に行われます。スイス国民は、どのような判断を下すのでしょうか。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2788434.html