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NHK受信料の「支払い義務化」は、是か非か?

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電気・ガス・水道は、支払いが滞れば停止される
NHKは何で、放送停止しないんだよ?


 自民党の「放送法の改正に関する小委員会」が9月24日、NHK受信料の支払い義務化を検討するよう、NHKや総務省に求める提言を出した。現在の放送法は、テレビ設置者にNHKとの「受信契約」を義務付けているが、訴訟以外に支払いを強制する制度はない。支払い義務化で不払い是正に期待がかかる一方、実効性に疑問の声も上がる。小委員会委員長を務める佐藤勉国対委員長と、元NHK職員で「電波利権」などの著書がある池田信夫氏に聞いた。(三品貴志)


■不公平に一石投じたい 自民党放送法の改正に関する小委員会」委員長 佐藤勉

 --今回の提言の狙いは

 「平成26年度時点で、NHK受信料の支払率は76%。残り24%は支払っていない。NHKは29年度末までに支払率を80%にする目標を掲げているが、NHKは受信料徴収のため、年間700億円近い営業経費をかけている。不払い者に支払ってもらえるようになれば、営業経費も減り、受信料も下げられるだろう。もちろん、本当は支払い義務化など、しない方がいいに決まっている。しかし、支払っている人にとって不公平な状態が、何十年も改善されていない。どこかで一石を投じる必要があると思い、まとめた提言だ」

 --支払い義務化がそのまま支払率向上につながるのか。罰則や徴収体制について、どう考えるか

 「提言では、罰則や徴収について、具体的なことまでは言及していない。そうした点を総務省とNHKで考えてほしい、という内容だ」

 --19年には、当時の菅義偉(すがよしひで)総務相が支払い義務化を見送っている。支払い義務化は、公共放送のあり方とそぐわないのではないか

 「現在の放送法も、テレビの設置を前提に受信契約を義務付けている。その上で、受信料を払っている人と払っていない人の差があるのはおかしい、という問題提起をしている。例えば、英国やドイツでは、公共放送料金の支払いを義務付けた制度を採用しており、支払率は九十数%に達している。日本も参考にできる点があるのでは」

 --受信料を払った人だけが番組を視聴できる「スクランブル化」や民営化など、抜本改革を求める声もあるが

 「私はそこまで考えてはいない。現状のNHKの体制は、視聴者から一定の理解を得ていると思う。現在の組織を維持し、健全に運営していくことが望ましいと考える」

 --提言では、インターネットで24時間、番組を流すことを見据えた制度設計についても検討を求めている

 「放送法の範疇(はんちゅう)でなかったネットサービスをどう位置付け、整理するかは今後の課題だ。NHKはこれからテレビ番組をネットでも同時に流す『同時再送信』の実験を始める。今後、仮に24時間、同時再送信を行うとして、現在の受信料とは別に課金をお願いするのは分かりづらい。そのため、全ての人に(テレビ放送もネットサービスも含めた料金を)負担してもらうことがいいのではないかと思っている」

 --総務省も、受信料制度を含め、放送の諸課題を議論する検討会を近く立ち上げる方針を示している

 「期待したい。ただ、そう簡単に結論を出せるテーマでもないだろう。じっくり議論してほしい。小委員会としても今後、民放や地方局のあり方や県域免許制を含めて議論を深め、第2次提言をまとめたい」

 〈さとう・つとむ〉昭和27年、栃木県生まれ。63歳。日大卒。栃木県議を経て、衆院議員に。当選7回。総務副大臣国家公安委員長総務相議運委筆頭理事などを歴任。平成25年から自民党国対委員長

■効果に疑問、反発強まる 元NHK職員・「電波利権」著者 池田信夫

 --受信料支払い義務化についての賛否は

 「反対だ。以前から議論されては棚上げされてきたテーマで、『またか』という印象が強い。仮に義務化して罰則を設けたとしても、効果があるか、甚だ疑問だ。警察が違反者を取り締まるにしろ、行政的な仕組みで対応するにしろ、回収できる1件当たりの額は少額で、劇的な効果が出るとは考えにくい。かえってNHKへの反発が強まる可能性も高い」

 --受信料の公平負担の実現は、長年の課題になっているが

 「現在の放送法や受信料制度は、複雑で分かりにくい。料金を払った人だけが番組を見られるスクランブル化が、最もシンプルで分かりやすい。視聴実態を把握したり、スクランブルをかけたりすることは、現在の技術では簡単にできる。NHKを民営化し、WOWOWやスカパー!のような有料放送にすべきだ」

 --NHKは「公共放送の理念と矛盾する」として、スクランブル化には消極的だ

 「スクランブル化すれば見ていない人が払わなくなるため、NHKとしては、減収につながることを恐れているのだろう。しかし、放送の多チャンネル化やインターネットの普及が進み、これだけコンテンツ(番組)があふれている時代に、NHKだけで地上波、BS、ラジオと計7波も維持する必要があるのか。確かに、特に総合テレビは公共的な性格が強い。総合テレビのスクランブル化には反対意見も多いだろうし、この点は議論の余地がある。ただ、大規模災害時などにはスクランブルを解除し、誰でも見られるようにすればいいだけのことだ」

 --教育番組など、公共放送だからこそ作れる番組も多いのでは

 「教育コンテンツへの潜在的なニーズは高く、例えば関連会社のNHK出版が発行している語学テキストの売り上げは好調だ。事業を整理すれば、やりようはあるはずだ。そもそも、日本のテレビは『無料』という認識が根強いが、いいコンテンツにお金を払う習慣を根付かせ、番組の競争を促進させていくことも大切だ」

 --自民党の小委員会は、値下げもセットで検討するよう提言している

 「値下げの前に、受信料を払っている人が、過去の番組をネット上で無料視聴できるアーカイブ(保管所)を整備すべきだ。ただでさえ、NHKをはじめ日本の放送局のネット対応は、海外の先進国に比べて遅れている。これもNHKの『特殊法人』という縛りが原因だ。予算に国会の承認が必要であることが、良くも悪くも政治とNHKの距離を近づけ、NHKの立場を難しくしている。NHKの独立性を保つ意味からも、有料放送にした方がいい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151018-00000517-san-ent