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沖縄戦でPTSD 住民70年の傷 国賠訴訟に診断書提出

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アンタの家族を粉砕して、PTSDの元凶となった火炎放射器を使った米国を何故に訴えない?




 太平洋戦争の沖縄戦に巻き込まれた住民やその遺族が国に謝罪と国家賠償を求めた訴訟(命(ぬち)どぅ宝裁判)で、弁護側が三十日の最終弁論を前に、戦争に起因する心的外傷後ストレス障害(PTSD)などがあると認められた原告三十七人の診断書と鑑定書を那覇地裁に提出していたことが分かった。弁護団によると、民間人の戦争犠牲者への国家賠償を求めた裁判で、精神被害の診断書が提出されたのは初めて。 (木原育子)

 戦後七十年を経ても、目に見えぬ心の痛みが続いていることを浮き彫りにすることで、身体的苦痛だけではない戦争の傷の深さと、それを引き起こした国の責任を問う。

 沖縄戦被害者や福島第一原発事故の被災者について、長い潜伏期間を経て症状が現れる晩発性(ばんぱつせい)PTSDを研究している精神科医の蟻塚(ありつか)亮二さんが、今夏までに原告七十九人のうち三十九人を診断。三十七人からPTSDなどの精神疾患が確認された。

 弁護団によると、診断では、人が殺されるのを目の前で見たトラウマ(心的外傷)で不眠症になったり、車やバイク、花火の音などが爆撃音を彷彿(ほうふつ)とさせてパニック障害になったりする、原告たちの現在の精神的な症状が克明に記されている。

 孤児になって家庭の築き方が分からず、子どもをネグレクト(育児放棄)した経験があったなど、世代を超えて戦争による精神被害が引き継がれていることも分かったという。

 これまでも東京大空襲の被害者らが国家賠償を求めた訴訟などで、戦争で受けた心の傷について研究者の意見書が提出されたことはあった。今回、診断書と鑑定書を提出した理由について、瑞慶山(ずけやま)茂弁護団長は「国は、あの戦争で民間人の精神も破壊し、今もそれが続いていることを、事実として明らかにした。戦争は最大の人権侵害」と話す。

火炎放射器の記憶 掃除機の音でパニック

 今回、診断書を提出した原告の一人、神谷洋子さん(78)=沖縄県うるま市=は、一九四五(昭和二十)年六月ごろ、壕(ごう)に落ちた米軍の艦砲弾で、一緒に逃げていた母と弟をこなごなにされた。「顔を上げたら、吹っ飛んだ母の焼け焦げたもんぺの一部だけが宙から降ってきた」

 父は沖縄戦の防衛隊としてすでに戦死しており、七歳で孤児に。飲まず食わずで逃げ惑った。唯一、手元に残していた乾パンは、「おまえが食べても国のためにならん」と日本兵に取り上げられた。どうしようもなくおなかが減り、人から流れ出た血をすくって飲んだ。その時のにおいは、今も忘れられない。戦後もちょっとした異臭でパニックに陥るようになった。

 米軍が壕を焼き尽くす火炎放射器の音は、戦後普及した家電掃除機の音に似ていた。「私は掃除機が怖い。今も、自宅を拭き掃除しかできない」

 蟻塚医師の診察で、PTSDと診断された。「戦争が影響している。幼いころの心の傷は簡単には治らないよ」と告げられた時、症状の病名が分かった安堵(あんど)とともに、怒りが込み上げた。「戦争は、人の心にも手を突っ込んで壊す残酷なもの。悔しい。七十年たってもずっと苦しまされるなんて」

 今月成立した安保関連法に「戦争の影」を感じ、さらに眠れない日々を強いられている。三十日の最終弁論で、裁判長に訴える予定だ。「私の本来の正常な心を国に返してもらいたい。できないなら、国は私が生きている間にちゃんと謝ってほしい」と。

<命どぅ宝裁判> 旧軍人軍属だけではなく、民間人犠牲者にも国による謝罪と1人当たり1100万円の賠償金を求めている。2012年8月15日に第1次提訴があり、6次までで原告は60歳代~100歳代の計79人。来年3月にも判決が出る見通し。地上戦のあった沖縄では、「軍への壕の提供」など20項目に該当する人は「準軍属」とし、国は弔慰金を支払った。しかし沖縄県によると、詳細な日時や場所、第三者の証言が求められるなど認定基準は厳しい。沖縄戦の民間人犠牲者は約9万4000人で、準軍属認定は5万5000人にとどまる。民間人の戦後補償をめぐる裁判は07年以降、東京や大阪で相次いだが、沖縄では初めて。国は、「当時の状況から国民は等しく受忍(我慢)しなければならなかった」(1968年最高裁判決)という受忍論を主張し、請求棄却を求めている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015092802000151.html