横行するテレビ番組の違法動画 無料の正規配信を拡大…いたちごっこ打破へ
在京キー局の放送されてない地域にとって、違法であろうとネットの映像は貴重なんだよ
ケーブルTVも越境したら配信させないとか意味不明な制度が自らの首を絞めてるのに気付かないんじゃ、衰退するだけだw
■無料の正規配信も拡大
テレビ各局や業界団体が、インターネットで横行している番組の違法動画対策に本腰を入れ始めた。各局は違法配信とのいたちごっこに頭を悩ませているが、無料の正規配信を拡大することで、「海賊版」を減らす試みも広がってきた。(三品貴志)
◆CMで意識啓発
民放連は今月、違法配信の撲滅キャンペーンを始め、加盟各局は3月末まで啓発CMを放送している。
犯人「みんなに『神』って言われて、うれしくて」
刑事「でも、テレビ番組をアップロードしちゃダメだよな。それっていわば、窃盗と同じだよ」
犯人「でも、鼠小僧だって同じじゃないですか」
刑事「でも、鼠小僧はアップロードしないし」
俳優の遠藤憲一さん演じる刑事と、違法配信の犯人のやり取りには、どこかユーモアも漂う。CMは同じ設定で数種類が制作され、民放連サイトで今後、公開予定のロングバージョンでは、遠藤さんのアドリブも楽しめる。
CMは、ドラマプロデューサーとして活躍したフジテレビの亀山千広社長(民放連知財委員長)と大多亮常務(同知財委員会コンテンツ特別部会長)が初めて“共作”。21日に東京都内で開かれた記者会見で、遠藤さんは「番組は制作側が練りに練って作ったもの。ルールは必要で、簡単にネットに出さないでほしい」と呼び掛けた。
◆削除要請を外注
テレビ番組は、例えばドラマの場合、原作者、脚本家、出演者、作曲家…と数多くの関係者が参加した「権利の束」(民放連の井上弘会長)といえる。お笑い、音楽番組の一部を切り取って違法配信されるケースも多く、民放連などによると、違法配信による被害額は累計480億円に上るとの試算もある。
テレビ各局はこれまでも、プロバイダー(ネット接続業者)やサイト管理者に違法動画の削除を要請してきたが、フジの亀山社長は「次から次へ新しいものがアップされ、いたちごっこ状態」と語り、意識啓発の必要性を強調する。
これに対し、BS・CS放送各社でつくる衛星放送協会は今月から、削除要請の方法自体を試験的に外注。協会に加盟する24社26チャンネルの番組を対象に、外部のネット監視会社に動画の削除要請などを委託している。
協会の調査では、加盟社の3分の1が恒常的に違法配信被害に遭っているといい、協会は「各社で違法アップロードを取り締まり、削除要請を行っていくには限界がある」として、各社の負担軽減を図る狙いを説明。3月中旬まで外部委託を実施したうえで、今後の対策をさらに検討するという。
◆正規品へ誘導を
一方、在京キー局を中心に広がっているネットでの「無料見逃し配信」にも、違法動画対策の側面があるようだ。現在、日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビの3社が、一部の番組をテレビ放送後、ネットの自社サイトなどで期間を限定して無料配信している。フジの亀山社長は「正規品へ誘導することで、違法アップロードを減らすのも目的」と期待する。
無料見逃し配信をめぐっては、各局の取り組みと並行して、民放連で在京キー局5社が共通した枠組み作りを協議している。早ければ今年中に試験サービスを始める予定だ。
番組のネット配信は著作物の「二次利用」に当たり、権利処理やスポンサーとの調整などが課題になっている。民放連の井上会長は「各局がまとまってやればインパクトも大きく、(配信に当たっての出演者ら権利者との)著作権交渉やビジネス面でも有利になる」と説明している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150127-00000525-san-ent