あれ?九条あれば平気だったのでは( ^∀^)ゲラゲラ
アルジェリアの人質事件は、多くの日本人の犠牲者を出した。
石油や天然ガスなど資源が豊富なアフリカ諸国へは、今後、日本企業の進出が増えると予想される。テロや紛争に備え、情報収集能力を高めるとともに、民間企業とともに対応マニュアルづくりを進め、万一に備えて邦人保護・救出の態勢を整えるのは政府の責任である。
今回の事件では、危機管理・対応の前提となる情報の収集が思うに任せず、政府の対応が後手に回った。日本から遠く離れた北アフリカでの事件だったうえ、アルジェリア政府が情報提供に積極的でなかったという事情があった。米英両国なども同じ状況にあった。
日本独自の情報ルートが乏しかったことは、日本政府の対応に大きな影響を与えた。安倍晋三首相がアルジェリアのセラル首相に電話し、人命優先の救出活動を求めたのは、同国軍が武装勢力の鎮圧作戦を開始した後だった。そして、軍の作戦が基本的に終了した後も、日本政府は人質の安否について「情報が錯綜(さくそう)している」と繰り返すしかなかった。
各国で情報収集の拠点になるのは日本大使館だが、アフリカの要員は欧米に比べて手薄である。在外公館職員全体が減少傾向にあるとはいえ、欧米の駐在外交官を削減し、危機管理が必要なアフリカなどの国々に回すことも一つの方法である。
小野寺五典防衛相は、自衛隊から在外公館に派遣されて軍事情報を収集する防衛駐在官を充実させる考えを示した。現在、防衛駐在官を派遣しているアフリカの国はエジプトとスーダンのわずか2カ国である。
テロ情報は各国の軍が扱っている場合が多い。アフリカなどで防衛駐在官を増やせば、米国などとの一層の連携、情報共有と合わせ、日本の情報能力向上に結びつくだろう。
一方、防衛相や石破茂自民党幹事長は邦人保護・救出に関連して自衛隊法の改正に言及した。
同法では「在外邦人等の輸送」を実施する場合、現地の安全確保が前提になっている。輸送手段は航空機と船舶に限られ、陸上輸送は想定していない。これらの論点のほか、妨害行為への対処として、正当防衛を超えて武器を使用できるよう基準を緩和するかどうかも焦点となる。
テロや紛争の規模・内容は変化しており、それに合わせて邦人保護・救出の法制度を整えるのは当然である。しかし、戦闘行為が行われている地域に自衛隊を派遣する場合、海外での武力行使を禁じた憲法9条との関係が問題になる可能性がある。慎重な検討を求めたい。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130122k0000m070128000c.html