祖先を敬い?
インフラ等を誰が作った?
そんなんだから「老害」って言われるんだよ!
敬うに値する人間性を持ち合わせてない野犬をどう敬えっての?
作った自慢?
日本では、それを自慢するのは浅ましい考えです
そんな浅ましいゴミをどう敬えっての?
電車内のトラブルを撮影した動画がネット上に投稿されて物議を醸している。映像には、左手で優先席を示す黄色い吊革に掴まりながら立っている70代とみられる老人の姿が。その老人は動画を撮影している若い男性を指差し、怒鳴りつけた──。
老人:日本語通じないのか?
若者:もう一回言ってみろ。
老人:だから代わってくれって言ってるんだよ。席を。
若者:なんでだよ。
老人:優先席だからだよ。
若者:なんでだよ。
老人:なんでって。あんた、日本人か。
若者:フフフ。悪いけど、そういう人に譲りたくないわ。残念だったな。
わずか30秒ほどの動画だが、一触即発の様子が伝わる。なんとも無礼な若者……と思いきや、ネットの声は違った。席を譲らなかった若者ではなく、老人のほうに非難の声が集中しているのだ。
そもそも優先席は〈お年寄りやお身体の不自由な方、乳幼児をお連れの方、妊娠されている方などのため〉(JR東日本ウェブサイトより)のものである。老人が優先されるべき席であることは明らかだ。
だが、ネットでは若者に肩入れする声が目に付く。「なんで上から目線で命令するのか」、「まさに老害」、「他人の善意を要求するのは無作法」といった感情的な意見が並んだ。あるネット投票でも、今回のトラブルに関して「老人が悪い」が57%、「若者が悪い」が43%と“若者擁護”が上回った。
しかも、この若者はこんな書き込みもしている。
〈私は優先席を譲りません!!なぜなら先日、今にも死にそうな老人に席を譲ろうとしてどうぞと言ったら『私はまだ若い』などと言われ、親切な行為をした私がバカを見たからです。今後とも老人には絶対に譲りません〉
こちらもネットで賛同を集め、中には「若者優先席も作るべき」という極論も。こんな風潮に66歳の作家・向谷匡史氏は噴る。
「若者たちの間に、自分を律する矜持がなくなっていることを嘆かわしく感じます。弱者のために用意された席に、楽をしたいから座るなんていうのは恥ずべきこと。祖先を敬い、先達がいるから自分たちがいるという想像力に欠けている。
この若者は『同じ電車賃を払っている』という悪しき平等主義なんでしょうが、彼が乗っている電車をはじめとするインフラや安全な日本を、一体誰が作ったと思っているのか」
一方、若者の気持ちも理解できるというのは、関西大学東京センター長で社会学者の竹内洋氏だ。
「たしかにお年寄りを目の前に立たせて優先席に座る若者の姿は美しくない。
ただし、高度成長期までは老人が少なかったため大切にされていたが、現在は老人の数が増えた上、非正規雇用の若者までが経済的に恵まれた老人の年金を支える、という構図。世代間憎悪が根底にあるのではないか」
動画を見る限り、老人にも幾分高圧的な態度がうかがえる。しかし、その姿をネット上にアップして嘲笑の的にするのはやりすぎである。このような若者が批判されないことこそ、本当の「世代間ギャップ」なのかもしれない。
※週刊ポスト2016年12月16日号
http://news.nicovideo.jp/watch/nw2535837?news_ref=top_latest