首相「拍手」促す 三権分立に反しないか
自民党のは、現場で働く自衛隊等に対してのスタンディング・オベーション
民進党のは、自画自賛に対してのスタンディング・オベーション
マトモな人格者なら、どっちに問題があるのか一目瞭然だろうが!!!
演説終盤、首相は日本の領土、領海、領空を守り抜く決意を強調した上で、最前線で「極度の緊張感に耐えながら、強い責任感と誇りを持って任務を全うする」海上保安官や警察官、自衛隊員に「今この場所から、心からの敬意を表そう」と、議場の議員らに拍手するよう促したのである。
その光景に「北朝鮮か中国共産党大会のよう」(小沢一郎生活の党共同代表)な異様さを感じた人も多かったのではないか。民進、共産、日本維新の会の三党が「極めて異常な事態」と自民党側に抗議したのは当然である。
国境警備や災害救助などの危険な任務に当たる自衛隊員らに対して、国民の多くはもちろん敬意を持ち、感謝の念を抱いている。
かといって、首相が自衛隊などに敬意を表すよう、国会の場で議員に促すのなら話は違ってくる。
起立、拍手した議員の側にも問題があることも指摘したい。
自民党内から「ちょっとおかしい。自然じゃない」(小泉進次郎衆院議員)との声は漏れてはくるが、「安倍一強」ともされる政治状況下、首相に過度に同調し、疑問を抱かない鈍感さが蔓延(まんえん)しているのなら、深刻である。