中国共産党の習近平総書記は公明党の山口代表との会談に応じた際、日中首脳会談に前向きな意向を表明したが、「環境を整えることが重要だ」として日本側にくぎを刺した。また、習氏は1月28日に開かれた党政治局の学習会で「我々の正当な権益を放棄することはできない」と強調し、尖閣問題で中国が一方的に譲歩することはあり得ない考えを改めて示した。
海上自衛隊の護衛艦に対するレーダー照射があった同30日は日本政府が尖閣周辺を警備する海上保安庁の組織強化を盛り込んだ新年度予算案を決定した翌日だった。安倍首相が習氏への親書で日中関係の重要性を強調しながら、関係改善に向けた具体的な対応がないことに中国側は不信感を募らせている。
中国の海洋監視船が4日に日本の領海に侵入したことに関連し、中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)副報道局長が5日の定例記者会見で「誠意と実際の行動で問題を適切に解決する方法を見いだすべきだ」と日本側に歩み寄りを促したのもそのためだ。
一方、北京の外交関係者は「中国の関係部門の対応は一枚岩ではない」と指摘。レーダー照射が軍独自の判断だった可能性もある。護衛艦の搭載ヘリがレーダー照射を受けた疑いがある1月19日は、中国メディアで盛んに日本との軍事衝突の可能性が報じられていた時期と重なる。直前には軍総参謀部が今年の軍事訓練に関して「戦争に備えよ」と全軍に指示しており、こうした状況が挑発行為につながったことも否定できない。
中国側は1月に鳩山由紀夫、村山富市の両元首相の訪中を受け入れる一方、海洋監視船による領海侵入を繰り返すなど硬軟両面の対応で日本側の出方を見極める構えだ。だが、日本から発せられるシグナルも硬軟両様のために解決の糸口が見えず、挑発行為がさらにエスカレートする危うさをはらんでいる。
http://mainichi.jp/select/news/20130206k0000m030077000c.html
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中国海軍:レーダー照射 関係改善進まずいら立ちか
【北京・工藤哲】中国海軍のフリゲート艦が東シナ海で海上自衛隊の護衛艦にレーダー照射した背景には、日本の安倍晋三政権に対する中国側の強いいらだちがある可能性が高い。日中間では首相経験者らが活発に往来し、中国側が友好ムードを演出しているにもかかわらず、対中強硬姿勢を取り続ける安倍首相に態度軟化への変化が感じられないためだ。
尖閣諸島(中国名・釣魚島)の国有化をめぐって行き詰まる日中関係の打開のため、日本から公明党の山口那津男代表が1月下旬に訪中。中国側も関係改善への突破口とするため、習近平(しゅうきんぺい)共産党総書記があえて会談し、安倍首相からの親書を受け取った。だが、その後も日本側は、中国側が期待するような行動を見せず、中国側は不信感を募らせていたようだ。
習総書記は先月28日、党政治局の学習会の席で「我々の正当な権益を放棄することはできない」と語り、尖閣諸島問題で日本に譲歩しない姿勢を改めて強調した。
先月14日付の中国人民解放軍機関紙「解放軍報」は1面トップで、軍総参謀部が2013年の軍事訓練に関して「戦争に備えよ」と全軍に対して指示を出していたことを報道した。この時期から中国メディアによる日本批判の報道が増えた。
安倍首相は先月16日から、南シナ海で中国と領有権を争うベトナムなど東南アジア諸国連合(ASEAN)3カ国を歴訪した。一連の日本側の動きに対し、中国側は「自国をけん制している」と受け止め、米国や日本が南シナ海の領有権問題に介入することに不快感を示していた。
日中間では最近、鳩山由紀夫、村山富市の両元首相らが相次いで訪中し、その都度、中国側は党や政府の高官が会見するなど丁寧な応対を続けてきた。その一方で、安倍首相本人は引き続き中国をけん制する発言を繰り返しているため、中国側には不信感が募っていたようだ。
当面、中国は日本の出方を見極める立場とみられる。ただ、日本側に変化が見られない限り、さらなる強硬的な措置を取るとみられ、日中関係はさらに厳しい局面を迎える。
http://megalodon.jp/2013-0205-2315-24/mainichi.jp/select/news/20130206k0000m030077000c.html
元記事は修正されてるので、毎日新聞社での閲覧は不可ですが、魚拓にて閲覧可能なのですが、ま、毎日らしいと言えばそうなのですが、中国が努力してるのに日本が反故にしてるとでも言いたげな論調www