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核ダイヤモンド電池で、核廃棄物が安全なエネルギーになる!

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5,000年経過してやっと能力半減するバッテリーってオーパーツかよ!!




英国・ブリストル大学が新エネルギーを開発!

ブリストル大学の物理学研究チームが一見無価値に見える核廃棄物を未来のエネルギー源に変換する方法を発見しました。これは人類の歴史よりも長い時間に渡って、電流を発生させることができるそうです。

核廃棄物の問題点は?

原子力発電によって発生する核廃棄物の処分方法は、21世紀の大きな課題の1つです。現時点では核廃棄物を最終処分する良い方法は開発されておらず、日本では目下のところ「最終処分=永久保管」という状況です。
しかも最終処分場(永久保管場所)の選定すら済んでおらず、日々発生する核のゴミが増え続けています。

「使えるゴミ」もある

しかし放射性物質自体は産業界や医療の分野(例えばレントゲンなど)で有効に使われており、核廃棄物の中には、まだ利用可能な放射性物質が含まれている場合があります。
予期せず発見された使える放射性物質の例の1つが、今回発表されたブリストル大学チームが英国の老朽化しているマグノックス型原子炉から取り出した核廃棄物に関する研究です。現在廃棄に向けて作業が進む「第1世代原子炉」であるマグノックス型炉はグラファイト黒鉛)を減速材として使用し発電を行っていましたが、何十年にもわたって運転された結果、イギリスに95,000トンの使用済みグラファイトが残されました。この原子炉の中では一部のグラファイト放射性物質である炭素14に変化し、放射性廃棄物となっています。
炭素14は、微量のベータ線を放出する放射性物質で、そのまま一般ゴミとして捨てるにはあまりにも危険です。今回ブリストル大学のチームが見つけた方法は、使用済みグラファイトから炭素14を取り出して「発電ダイヤモンド」に変えるやり方です。

発電ダイヤモンドとは?

発電ダイヤモンドは「核ダイヤモンド電池」とも呼ばれ、ダイヤモンドが放射線にさらされると小さな電流を発生させるというという性質を利用した電池です。研究者によれば、「可動部分を有さず」「排出物を放出せず」「メンテナンスフリー」という特性を持ったバッテリーを作成することが可能になるということです。
ブリストル大の研究チームは、使用済みグラファイトを加熱して気化した炭素14を取り出し、それに圧力を加えて人工ダイヤモンドに変更させる方法を開発しました。(なお、炭素14が取り出された後の使用済みグラファイトは放射性レベルが大きく下がります!)
こうして生み出された人工ダイヤモンドは、原料となった炭素14によって放出ベータ放射線がダイヤモンドの結晶格子と相互作用し、微量の電気を生み出すようになります。とは言え、この発電ダイヤモンド自体は放射性物質であるため、そのままでは危険です。(手に持つと被爆します)
そこで研究チームでは、このダイヤモンドの表面を通常の人工ダイヤモンドでコーティングすることにしました。これにより、手に持っても安全なレベルまで放射線の放出量を抑えることに成功しました。研究チームによると「バナナと同じ程度」の危険性しかないそうです。
しかもダイヤモンドはモース硬度10を誇る非常に硬い物質で、危険な放射性物質を閉じ込めておくには最適な物質です。

核ダイヤモンド電池の電圧と寿命は?

今回開発された人工ダイヤモンド電池ですが、現時点ではそれほど大きな出力は期待できません。
研究チームによれば、ダイヤモンド電池が生み出すことができるエネルギーはダイヤモンド1g(5ct.)あたり1日約15ジュールということです。この1日15ジュールというエネルギーは非常に小さく、例えばアルカリ単三電池1本のもつエネルギー量が約14,000ジュールなので、一気に大電力を使う製品には利用できません。
しかし、このダイヤモンド電池の特徴は超長寿命であることです。炭素14半減期の関係から、5730年経った後も約半分の出力を維持しています。つまり、人の寿命約100年程度では、ほとんど劣化せず、出力が落ちないことになります。この利点を活かし、微量のエネルギーで作動する腕時計やペースメーカーに使用すれば、一度ダイヤモンド電池を組み込んでしまえばもう電池交換が不要になります。
他にも衛星など、電池交換が難しい用途での活用が期待されています。

http://kaigainews.com/archives/146