んじゃ、
「拳銃が気軽に買えるアメリカってイカれてるよねぇ~」
って、言われたら法改正して全米の拳銃を撤廃するのかよ?
ソレが出来たら、日本での彫師の規制撤廃に刺青を広く受け入れてやるわ!!
医師でなければ刺青を入れてはいけないとする医師法のタトゥー規制は、海外からどのように受け止められているのでしょうか。米国人の彫り師、ティム・カーンさん(44)に見解を聞きました。
警察官・医師・弁護士…様々な人に入れてきた
――どういう経緯で彫り師になったのでしょうか。
子どもの頃から絵を描くのが好きでした。芸術系の学校に通っていた頃、友人に「彫り師になったら」と勧められたのがきっかけでタトゥーに興味を持ったんです。
紙に絵を描くのと違って皮膚は動くし、血も出るし、痛みも感じる。最初のうちはタトゥーを彫ることへの緊張もあったけれど、3、4年もすると皮膚というキャンバスに作品を施すことに、やりがいや楽しみを感じるようになりました。
彫り師になって20年。ミズーリ州やニューヨークで働き、いまはオレゴン州のポートランドで主に仕事をしています。バンドマンや、警察官、消防署員、医師や弁護士ら様々な人にタトゥーを入れてきました。
エグゼクティブは仕事の時に隠すことも
――米国では警察官もタトゥーを入れるのですか。
ニューヨークには十数年いましたが、たくさんの警察官に彫りましたよ。「半袖から見えるところには入れてはいけない」など、州や街によってルールは違いますが。
米国では、タトゥーがファッションとして広く受け入れられています。あらゆる階層の人が入れていますし、見せて歩いている人もいっぱいいます。ただ、エグゼクティブの人などは仕事の時は隠すことが多いです。やはり、タトゥーが好きでない人や恐怖を感じる人もいますから。
――タトゥーに対する差別意識があるのでしょうか?
差別や偏見というよりは、ビジネス上の理由が大きいと思います。仕事の場で腕のタトゥーが見えたりすると、「このタトゥーどうしたの?」と本題と関係ない方に興味を奪われてしまうので。
毎年講習、更新料を納める
――日本では法律上、タトゥーを彫るためには医師免許を取る必要があるとされています。米国ではどのような制度が取られているのでしょうか。
米国でもほかの国でも、タトゥーを入れるのに医師のライセンスが求められることはありません。彫り師に対して医師の学校に通うことを義務づけるような制度は、おかしいのではないでしょうか。
米国の場合は州や地域ごとに規則が定められており、私はミズーリ、ニューヨーク、オレゴンで三つの免許を持っています。オレゴン州は非常に規制が厳しくて、タトゥーの学校に行ってライセンスを取得する必要があります。
そのためには、いくつも作品を仕上げたり、感染症を防ぐための勉強をしたりしないといけません。取得後も更新のために毎年講習を受け、更新料を納める必要があります。しかし、しっかりした規制があること自体は良いことだと考えています。
厳し過ぎる規制は、地下に追いやるだけ
――日本国内で彫り師への摘発が強化されています。タトゥーを入れるのに医師資格を求めるのは行き過ぎというご意見ですが、ではどのような制度が望ましいと思いますか。
警察がいきなりドアをノックしてくるなんて考えられません。彫り師はアーティストなのに、いまのような法律では仕事を続けることが難しくなってしまいます。
人々が安全にタトゥーを入れられるようにすべきです。まったく規制のない状態や、逆にあまりに厳し過ぎる規制は、タトゥーを地下に追いやるだけで安全とは言えません。
それよりは、合理的で筋の通ったルールを設けて、ライセンスを与える方がずっといい。人々が陰に隠れてこっそりタトゥーを入れるよりも、オープンかつ安全に利用できる方が望ましいでしょう。
利益を生まない、カルチャーも育たない
――日本の刺青やタトゥーのレベルは、世界的に見ても高いのでしょうか。
日本の刺青やタトゥーはとても素晴らしい。若い頃、日本の刺青をこの目で見たいと、いつも夢みていました。いまはインスタグラムで世界中のタトゥーを見られますが、日本のスタイルは非常に革新的で、ほかの地域と違った特徴を持っています。
私は日本が好きですが、どうしても理解できないのはタトゥーに対する根強い偏見です。日本のタトゥー文化は世界的に評価されているのに、なぜそれを潰そうとするのでしょうか。
規則をつくってしっかり衛生管理することで、日本のタトゥー文化はもっともっと進歩できるはずです。ライセンス制度をつくれば、政府は更新料や税金の形でお金を得られます。アンダーグラウンドのままでは利益を生みませんし、カルチャーも育ちません。