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エボラ対策―冷静な対処が試される

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飛沫感染の可能性も否定されてませんけど?
虚偽報告しなくても入国できるのと、虚偽しないと入国できないでは雲泥の差があるわ!

アカヒ社員、エボラ患者の血液を輸血してこいや!! 



 エボラ出血熱は、重い感染症である。だが、その対処はあくまで冷静でなければならない。そのことをいま一度、肝に銘じておきたい。

 リベリアに滞在後、東京・羽田空港に着いた男性の感染が疑われ、おとといから都内の指定医療機関に入院している。

 きのうまでの血液検査では陰性だったが、引き続き数日程度経過をみることになった。

 世界保健機関(WHO)によると、リベリアシエラレオネギニアの西アフリカ3国での感染拡大は依然続いている。世界全体で今回の感染者は1万141人に達し、うち4922人の死亡が確認されている。

 ただ、現状はこの3カ国におおむね封じ込められている。制御を失った状態ではない。

 流行地との往来が盛んな欧米では、発熱などで感染が疑われる例が何人も出ているが、これまでのところそのほとんどがエボラではなかった。

 欧米での発症確認は、米国4人、スペイン1人の5人、死者は米国の1人だけだ。

 これはエボラが患者の血液などを介してしか感染しないからだ。新型インフルエンザのようにせきのしぶきなどで感染するわけではない。流行地以外では限られた患者に適切に対処すれば感染拡大は防げる。

 もちろん、日本でも感染者がいつ確認されるかわからない。日本政府は、流行国への滞在歴がある入国者全員に毎日体温など体調を報告してもらうことにした。

 国内で発症した場合、指定医療機関に誘導することを含め、現段階ではそうした措置を徹底することが肝要である。

 一部の国や地域では、3カ国からの渡航を禁止したり、症状のない入国者を強制隔離したりする動きもある。だが、それは人権を極端に制限するだけでなく、感染症対策を徹底するうえで逆効果となりかねない。

 過剰ともいえる隔離や検査を強要すれば、流行地に渡航した人たちが検疫などで虚偽申告したり、密航しようとしたりする可能性を高める。そうなれば流行の制御が難しくなる。

 米ニュージャージー州では、流行地でエボラと闘った看護師が、症状もないのに一時強制隔離され、犯罪者のような扱いを受けたと訴えている。非科学的な対応で医療者の士気をくじくようでは、有効な態勢づくりはおぼつかない。

 国内の備えを地道に整えつつ、流行地での対策には国際社会で結束して取り組む。その着実な努力が求められる。
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